シンポジウム7「糖尿病患者におけるサルコペニア・フレイル~私たちにできる早期発見と介入法~」

2月10日(土)シンポジウム7「糖尿病患者におけるサルコペニア・フレイル~私たちにできる早期発見と介入法~」

座長 富田 益臣(下北沢病院 内科)
「糖尿病患者におけるサルコペニア・フレイル」
基調講演/座長 荒木 厚(東京都健康長寿医療センター 糖尿病・代謝・内分泌内科 内科総括部長)

シンポジスト
「糖尿病フットケア外来・足専門病院でできる事」
富田 益臣(下北沢病院 内科)
「糖尿病患者における筋力評価の意義とレジスタンス運動」
野村 卓生(関西福祉科学大学 保健医療学部 リハビリテーション学科 理学療法学専 教授)
「サルコペニア・フレイルティを防ぐための有酸素運動」
松田 拓朗(福岡大学病院 リハビリテーション部 健康運動指導士)
「靴屋からできる事」
河合 佑樹(有限会社クラトミ 義肢装具士・FHAシューフィッター)

「糖尿病患者のサルコペニア・フレイル~私たちにできる早期発見と介入法~」

荒木 厚(東京都健康長寿医療センター 糖尿病・代謝・内分泌内科)

サルコペニアは筋肉量の低下かつ筋力の低下または身体能力の低下と定義され、加齢と共に増加する。身体能力低下は歩行速度の低下やtimed up and go testなどで評価できる。糖尿病患者では糖尿病がない人と比べてサルコペニアになりやすく、とくに歩行速度が低下し、転倒しやすい。糖尿病におけるサルコペニア発症の機序としては末梢神経障害、インスリン抵抗性、インスリン分泌低下、高血糖、炎症、ビタミンD不足、低栄養などが考えられる。
フレイルは加齢とともに予備能が低下し、ストレスによって要介護や死亡などをきたしやすい状態である。また、フレイルは運動や栄養によって一部健康に戻ることができる。さらに、フレイルには多面性があり、体重減少、疲労感、身体活動量低下、筋力低下、歩行速度低下などの身体的フレイルだけでなく、認知機能障害、うつといった精神的フレイル、閉じこもりのような社会的フレイルも含まれる。糖尿病患者ではフレイルをきたしやすく、サルコペニアの合併、高血糖、重症低血糖、動脈硬化性疾患、骨関節疾患、身体活動量低下、低栄養などがフレイルをきたしやすい要因である。
糖尿病患者におけるフットケアにおいては、足の観察だけでなく、歩行能力、バランス能力、筋力、体重の変化、末梢神経障害などを評価することで、サルコペニアやフレイルを早期発見することができる。サルコペニアやフレイルの進行を予防するためには、多職種でレジスタンス運動を含む運動療法、タンパク質の摂取を増やすような栄養サポート、適切な血糖コントロール目標の設定、安全な薬物療法を行うことが大切である。
したがって、超高齢社会におけるフットケアは多職種と連携することで、糖尿病足病変のみならず、転倒や要介護を予防する重要な役割を担うことができると思われる。

※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)

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