シンポジウム3「足病患者への装具処方 前編」

2月9日(金)シンポジウム3「足病患者への装具処方 前編」

座長 家城 恭彦(富山市立 富山市民病院 内分泌代謝内科 部長)
「義肢装具士の現状と装具の支給体制」
基調講演/座長 大平 吉夫(日本フットケアサービス株式会社 義肢装具士)

シンポジスト
「整形外科領域の装具処方の実際」
塩之谷 香(塩之谷整形外科 副院長)
「義肢装具士が戸惑う足病患者の装具処方」
砂田 和幸(有限会社砂田義肢製作所 義肢装具士)
「装具療法における理学療法士の関わり」
岡本 貢一(下北沢病院 リハビリテーション科)
「足専門病院での装具処方 ~装具処方~」
菊池 恭太(下北沢病院整形外科/足病総合センター)

「義肢装具士の現状と装具の支給体制」

大平 吉(日本フットケアサービス株式会社)

義肢装具士(以下PO※)は医療関係職種の中でも、90%以上が民間企業に籍を置きながら病院内で業務を行っている、稀有な有資格者(国家資格)である。現在の有資格者数は、約5000名(実就労数は把握できない)で、現状としてほとんどが整形分野、リハビリ分野および障害者総合支援法の範疇で義肢装具製作に携わっている。近年、足の創傷治療をはじめ内科分野からの、義肢装具の需要が多くなっていることは一般社団法人・義肢装具士協会発行の『義肢装具士白書2016』でも取り上げられており、POの間で周知されつつある。新たな需要を取り入れ、職域を広げていかなければならないPOにとっては、より積極的に足の治療分野に参画していくことが望ましい。しかし実情は「社内POの人数が少なく、従来分野での業務を行いながら、新分野を始めることが難しい」「新分野の業務を行いたくても、近隣にその治療を行っている病院がない(所属企業が地域密着型)」「(他の医療関係職種の方々と同じで)糖尿病足病変等の治療について、学校で習っていない、あるいは地域で学ぶ環境がない」など、PO自身や、企業の姿勢、就労環境、地域環境、教育環境などの諸問題がある。平成28年の診療報酬改定で、日本フットケア学会、日本下肢救済・足病学会などの働きかけで糖尿病足病変に対する、義肢装具の採寸・採型にかかるレセプトの変更がなされた。内科疾患に対する義肢装具の捉え方が変化してきており、POの職域も少しずつ拡がりを見せている。POはニーズや環境などの情勢を敏感に察知しなければならない。糖尿病の患者数は今後も増化が予測されている。POとして役割を果たさなければならないという益々の使命感と、実情の諸問題の間にジレンマが生じ、大きな課題となっている。

※義肢装具士(PO:Prosthetist and Orthotist)
「医師の指示の下に、義肢装具の採型・製作・身体への適合を業とする者」をいう。
(義肢装具士法・第一章・第二条3 要約)

※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)

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